2011/04/29

アイロンがけ



布を裁断する前には かならず アイロンがけをする。
しわを取る目的以上に、縦糸と横糸を 均等にまっすぐに整えるために。


織り方によって 縦糸と横糸がわかりにくいものもあるけれど
しばらく じっとみたり 触れてなでているとわかってきて
まっすぐになれよーと思いながら かけてやる。


洋服を作る行程 どれ一つをとっても 気を抜けるものではないけれど
このアイロンがけが 裁断がうまくいくかどうかのまず第一個目の鍵。


atelier naeの洋服は 布の落ち感やふくらみをいかすために
生地の布目の方向をいかにうまく使うか、を 念頭において 作ろうとしている部分が大きいです。


なので、なんだか、このアイロンがけは
戦いにいどむ前の 精神統一みたいな、
あ、でもそんな 武士みたいに 勇ましい気持ちではなく、
しずかに気持ちをあっためていくみたいな、そんな作業だな、といつも思います。
 

2 件のコメント:

  1. >atelier naeの洋服は 布の落ち感やふくらみをいかす
    >ために生地の布目の方向をいかにうまく使うか、を
    >念頭において作ろうとしている部分が大きいです


    …なるほど。布の流れを読んで、従ったり、少し逆らったりして自然なフォルムを作っていくんですね。

     例えば昔の木造建築でも、当たり前のように木の繊維の流れを読んで、うまくそれを利用して強度を上げたり、形を整えていた…そういうことに似た作業なんでしょうか。


     アイロンがけの匂い、好きです。ちょい焦げのにおい。

    返信削除
  2. そうなんですね、昔の木造建築。
    おもしろい!初めて知りました。

    ぺたりと均一な物質ではないからこそのおもしろさとむずかしさですよね。

    なんだか、きっと これから 古いお寺とかをみるとき、じっと柱をみてしまいそうです。
    おもしろいお話、ありがとうございます◎

    返信削除