2011/09/03

流れと小舟


雨の中 歩いて帰る夜。
ぺたぺたぺたと じぶんの足音だけしか聞こえない道。


サンダルの足先が濡れていくのがいやで、
早く家につきたい と思いながら歩き くっと角を曲がると 
そこは なんだかまるで千と千尋の神隠しの風景みたいな 
提灯の赤い灯りと 街灯のほんのり緑がかった光が踊っているような景色が目の前にあった。


静かだけれど 街が呼吸しているような なんだかふしぎな夜だった。




昨晩、3年ぶりにお会いした方がありました。
彼女の空気は 雲のようにまっしろで、
綿あめのようにやわらかく ふわっふわの毛布のようなあたたかくてやさしい空気を纏った人で。
その方が 最近 「感じる」ようになってきたのだと。
あ、と思って 思い出した。
私もとても感覚が鋭くなっていたころ、いつも 世界がささやいている、と感じてたことを。
それには 気持ち悪さもなく 怖さもなく、
ただただ、ひとつひとつの家の中にある生活やその中にある一人ひとりの命、
そして そこここにある草花や虫たちの、
生きるものすべてのエネルギーが大きな流れになって 風に乗って 
ぱちぱちはじけるような 楽しそうな音をたててるな、と感じてるときがあった。


でもそのときは その音がわたしに関わってくるということもなく
ただ 「聴こえてくる」という感じだった。


今 いろんな方とのつながりに 次々と助けられて、不思議なほど空気が清々しく流れていて、
これはいったいなんだろう、と思っていたけれど、
なんだか あのときの感覚に似ているな、と思い出した。
彼女に会って、今度は その、流れを感じて それに包まれながら 自分で乗っていこう、と
数年前にはなかった丈夫な小舟を教えてもらったような、なんだかうれしい気持ちになりました。



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