先日、実の妹の結婚式を無事終え、
ほっとしたのもつかの間、しばらく慌ただしくしていました。
あと少し、年明けにむけての準備をしたら お休みに入れるかな、と思っています。
そして。
妹の結婚式。
超がつくほどの雨女の妹だけれど、
この日だけは朝から綺麗に晴れ渡り、清々しい一日でした。
atelier naeとしてはなかなか作らないボリュームのあるプリンセスライン。
妹の「ふわふわのドレスが着たい」その一言で決まりました。
お支度は、式場の方のはからいで、姉である私に着付けをさせてくださいました。
このときまでは完全に仕事モードで、
無事きれいにお支度を終えた妹を見て、
一仕事終えたという安堵感でいっぱいでした。
ですが、挙式場に入ったとたん、
予想もしていなかったタイミングでスイッチが切り替わり、
まだ新郎さえも入場すらしていない式場で、
神父さんの神様のような微笑みと視線を受けながら
一人嗚咽しながら泣いていました...自分でもびっくりしました。
本当にいいお式でした。
ドレスは、国産の素晴らしく美しいシルクをふんだんに使ってお作りしました。
トップスはシルクサテンにシルクシフォンを重ねて陰影のあるものに。
スカート部分は シルクサテンにきめの細かいチュールを重ね ふわふわ感を。
挙式のときは、シルクタフタの白いベルトに、
存在感のある大きなリボンを2つ重ねたダブルリボンをバックのポイントにしました。
ベールはバックのリボンを際立たせるため、あえてショートベールにしました。
披露宴では、サーモンピンクのベルトに、
チュールのふわふわの飾りをつけたものにチェンジ。
一着のおなじドレスでも、ベルトのお色を変えるだけでも 随分印象が違って見えます。
お色直しももちろん素敵ですが、一着のドレスを一日纏うのもまた素敵なことだと思います。
花嫁が結婚式の日、身につけると幸せになれるというsomething four。
"something new(新しいもの)"
"something old(古いもの)"
"something borrow(借りたもの)"
"something blue(青いもの)"
その"something old"として、母のペンダントトップの真珠を一粒、
ヘッドドレスの花芯にそっと寄り添うようにつけました。
そして、一番は、両親と私の3人からのプレゼント。
”母親からお裁縫道具を花嫁にプレゼントすると、一生幸せでいられる”というヨーロッパの言い伝えの代わりに、彼女のドレスに 両親に一針ずつ、入れてもらいました。
仕事柄縫うのは慣れているから「もっと縫えるよ」と
とてもうれしそうに 眼鏡をかけて一針入れてくれた父。
感慨深そうに 丁寧に愛おしそうに一針入れてくれた母。
二人の姿を見ておもいました。
結婚式とは、ウェディングドレスとは、
生まれてからこれまでに 出会った人、交わした会話、思い出、想い、
すべてを表し、すべてを込めたものなのだと。
わたしがそうであるように、きっと父と母の頭にも、
小さかった妹の姿が浮かんでいたはず。
その妹が、結婚式という佳き日を迎えられることの幸せ。
その喜びを、両親とともに噛み締めていました。
結婚式当日、お支度を終え ドレスを纏い、
きらきらと嬉しそうに輝く妹を見た父が、あらためて、
「あれは本当に早苗が作ったのか...? いいドレスを、ありがとう。」
なかなか仕事に関しては褒めない父が 心からそういってくれた言葉も、忘れられない一言でした。
この一着を作ることが出来て、本当にありがたいと思いました。
姉に、素晴らしい機会をくれた妹へ、ありがとう。
ずっとずっと、二人で仲良く、幸せな出来事を重ねていってね。
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